軽貨物の安全管理者講習はいつまで?どこで受ける?2027年3月の期限と選任・届出の流れ
2024年の法改正により2025年4月から、軽貨物(貨物軽自動車運送事業)の事業者は、営業所ごとに「貨物軽自動車安全管理者」を選んで運輸支局等に届け出ることになりました。安全管理者になるには、国の登録を受けた機関で講習を受ける必要があります。この記事では、いつまでに・誰が・どこで受けるのか、受けたあとの届出、受けないとどうなるかを、国土交通省の資料をもとにまとめます。
この記事の要点
- 2025年3月末までに届出をした事業者は、2027年3月までに講習を受けて安全管理者を選任する(選任したら運輸支局等に届け出る)
- 2025年4月以降に届出をした事業者は、事業を始める前に速やかに選任する
- 営業所ごとに1人以上。一人で事業をしている場合は、基本的に自分自身を選任する
- 講習は国土交通省に登録された機関で。eラーニングの機関もある(17機関中7機関、2026年10月13日時点)
- 選任後も2年ごとに定期講習。選任しない・届け出ないと100万円以下の罰金
いつまでに受けるのか
期限は、貨物軽自動車運送事業の経営届出をいつ出したかで変わります。
| 経営届出をした時期 | 講習の受講と選任の期限 |
|---|---|
| 2025年3月末まで | 2027年3月まで |
| 2025年4月以降 | 届出のあと、事業を始める前に速やかに |
| 2025年3月に廃止届を出し、4月以降に届出をし直した | 2025年4月以降の届出として扱われ、事業を始める前に速やかに |
講習は2種類あります。
- 貨物軽自動車安全管理者講習:安全管理者に選ぶ前に受ける講習。5時間以上
- 貨物軽自動車安全管理者定期講習:選任した日から2年ごとに受ける講習。2時間以上
内容は「自動車運送事業・道路交通に関する法令」「運行管理の業務」「自動車事故の防止」と、最後の修了試問です。
なお、安全管理者に選べるのは、選任の日の前2年以内に講習を修了した人か、講習を修了したうえで選任の日の前2年以内に定期講習を修了した人です(一般貨物などの運行管理者の例外は次の章)。早めに講習を受けた場合は、2年以内に選任するのが手間がかかりません。
誰を、何人選ぶのか
- 営業所ごとに1人以上。複数人を選んでもかまいません。1人が別の営業所の安全管理者を兼ねることはできません。
- 一人で事業をしている場合は、基本的に自分自身を選任します。配偶者など家族従業者から選ぶこともできます。
- 運行管理者の資格者証を持っているだけでは選べません。一般貨物自動車運送事業などもあわせて経営していて、その事業で運行管理者に選任されている人であれば、講習を受けずに安全管理者に選べます(定期講習も不要。運行管理者でなくなった場合は定期講習が必要になります)。
- 道路交通法の安全運転管理者との兼務はできます。その場合も、安全管理者としての選任と届出は別に必要です。
営業所が複数ある会社は、営業所の数だけ講習を受ける人が必要になります。誰を選ぶかは、その営業所の運行を実際に管理できる人かどうかで決めてください。
どこで受けるのか(eラーニング・対面)
講習は、国土交通大臣の登録を受けた講習機関で受けます。2026年10月13日時点の国土交通省の一覧には17機関が載っています。
eラーニングで受けられる機関(7機関)
| 機関名 | 実施方式 | 所在地 |
|---|---|---|
| 独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA) | eラーニング | 東京都 |
| ヤマト・スタッフ・サプライ株式会社 | eラーニング | 東京都 |
| 株式会社ロジクエスト | eラーニング | 東京都 |
| 一般社団法人こころーど | eラーニング ・対面 | 東京都 |
| 株式会社GakkenLX | eラーニング | 東京都 |
| 一般社団法人全国軽貨物協会 | eラーニング ・対面 | 東京都 |
| 株式会社エムアールエスコンサルタント(大阪都島自動車学校) | eラーニング | 大阪府 |
対面で受ける機関(10機関)
| 機関名 | 所在地 |
|---|---|
| 株式会社ムジコ・クリエイト(弘前・青森・八戸会場) | 青森県 |
| 株式会社大宮自動車教習所 | 茨城県 |
| とちぎ安全教育センター株式会社 | 栃木県 |
| 株式会社HSC | 栃木県 |
| 株式会社Trasaburou | 千葉県 |
| 株式会社アジマ自動車学校 | 長野県 |
| 学校法人天美学園(近鉄自動車学校) | 大阪府 |
| 有限会社伊万里自動車教習所 | 佐賀県 |
| 有限会社新西海自動車学校 | 長崎県 |
| 株式会社みゆき学園(警友自動車学校) | 宮崎県 |
受講料、申し込み方法、日程は機関ごとに違います。国土交通省も「各講習機関に問い合わせを」としているので、申し込む前に各機関のページで確認してください。
補足: 一覧は順次追加されています。2026年10月13日時点の一覧で各機関が登録を受けているのは、選任前に受ける「貨物軽自動車安全管理者講習」です。2年ごとの定期講習の機関も、同じ一覧で確認してください。
講習のあとの選任と届出
- 講習を修了する。修了すると「貨物軽自動車安全管理者講習修了証明書」が交付されます。自社で保存します。
- 営業所ごとに安全管理者を選任する。
- 営業所がある都道府県の運輸支局等に届け出る。届出書には、事業者の氏名・名称と住所(法人は代表者の氏名も)、安全管理者の氏名と生年月日、選任年月日と講習の修了年月日、業務を行う営業所の名称と所在地、兼職の有無を書き、修了証明書の写しを付けます。
届出書の様式例は、国土交通省の制度改正のページにあります(「貨物軽自動車安全管理者の選任・変更・解任届出様式例」)。安全管理者を解任したときも、理由を書いて届け出ます。国土交通省のFAQでは届出は郵送か窓口とされ、電子での届出は準備中と案内されていました。今の受付方法は管轄の運輸支局等に確認してください。
受けない・選ばないとどうなるか
国土交通省のFAQでは、今回の改正に関わる罰則として次のものが示されています。
- 安全管理者を選任する規定に違反した場合:100万円以下の罰金
- 安全管理者の選任・解任の届出をしなかった、または虚偽の届出をした場合:100万円以下の罰金
- 死傷事故など重大な事故の報告をしなかった、または虚偽の報告をした場合:50万円以下の過料
また、監査で法令違反が見つかると、文書警告、自動車の使用停止、事業停止などの行政処分の対象になります。処分の基準は国土交通省のページに載っています。
選任したあとに続く仕事
安全管理者は、講習を受けて届け出たら終わりではありません。国土交通省のFAQでは、安全管理者が行う業務として次のようなものが挙げられています。
- 運転者への点呼と、その記録・保存(アルコール検知器を使った酒気帯びの確認を含む)
- 運転者に業務の記録を付けさせ、保存する(1年間)
- 事故の記録(3年間)と、貨物軽自動車運転者等台帳の作成
- 勤務時間の基準の範囲で乗務割を作る
- 運転者への指導・監督と、初任運転者・65歳以上・事故を起こした運転者への特別な指導、適性診断の受診
点呼は安全管理者が行うのが原則ですが、2027年3月31日までは事業者内の人が行ってもよいとされています。初任運転者などへの特別な指導と適性診断は、2025年3月末までに届出をした事業者なら2028年3月までに行います。
このうち毎日発生するのが業務の記録です。ドライバーが多い会社ほど、記録を集めて保管し、月末には同じ数字を請求書や支払明細に写す手間がふくらみます。業務の記録の項目と、請求に使う件数・個数・高速代を1枚にまとめた日報テンプレート(無料・Excel/PDF)を用意しているので、あわせて使ってください。
この記事の根拠(2026年10月13日に確認):
国土交通省「貨物軽自動車運送事業者の安全対策が強化されました」(解説リーフレット)
国土交通省「よくある質問とその回答(FAQ)」
国土交通省「登録貨物軽自動車安全管理者講習機関の一覧」
国土交通省「貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化するための制度改正について」
個別の事情(営業所の数え方、届出の方法など)は、管轄の運輸支局等に確認してください。
よくある質問
軽貨物の安全管理者講習はいつまでに受ければいいですか?
2025年3月末までに貨物軽自動車運送事業の経営届出をした事業者は、2027年3月までに講習を受けて安全管理者を選任します。2025年4月以降に届出をした事業者は、事業を始める前に速やかに選任する必要があります。
一人で軽貨物をやっている個人事業主も安全管理者が必要ですか?
必要です。国土交通省のFAQでは、一人で事業を行っている場合は基本的に自分自身を安全管理者に選任するとされています。配偶者など家族従業者から選任することもできます。
安全管理者講習はオンラインで受けられますか?
eラーニングで実施する登録講習機関があります。2026年10月13日時点の国土交通省の一覧では17機関のうち7機関がeラーニング(対面との併用を含む)です。申し込み条件や費用は各機関に確認してください。
運行管理者の資格を持っていれば講習は不要ですか?
運行管理者資格者証を持っているだけでは選任できません。一般貨物自動車運送事業なども経営していて、その事業で運行管理者に選任されている人であれば、講習を受けずに安全管理者に選任できます。
安全管理者を選任しないとどうなりますか?
選任の規定に違反した場合や、選任・解任の届出をしなかった場合は100万円以下の罰金と定められています。監査で法令違反が見つかれば、文書警告や車両の使用停止、事業停止などの行政処分の対象にもなります。
